政治資金をとりまく制度
政治資金をとりまく制度
そもそも何で政治にはお金がかかるの?

政治資金は、政治活動に用いられるお金ですから、その収支に透明性を持たせることは
そのまま政治活動の透明性・公平性を確保することにつながります。
そのため、政治資金については様々な制度やルールが定められています。
このページでは、そんな制度やルールを簡単に解説していきます。

政治資金を規律する様々なルール
政治資金を取りまく制度の、一丁目一番地とも言うべきルールは政治資金規正法という法律です。

この法律では、政治資金に透明性を持たせるために、「誰が扱う資金にルールを課すのか」ということから、「どのように集めるのか」、そして「使ったらどのようにしなければならないか」ということまで、さまざまな内容が決められています。
また、それ以外にも税金で賄われる政治資金である政党交付金や立法事務費にはそれぞれ個別のルールが決められています。

このページでは、政治資金規正法の内容を中心に、政治資金の集め方(収入)と使い方(支出)に着目して確認した後に、
どのようなルールが定められているのかさらにその内容をみていきます。
政治資金の集め方

政治資金の集め方には、以下の6種類のものが挙げられます。
政治資金の透明性を確保するためのルールは集め方によっても異なりますから、どのように政治資金を集めたかということは大変重要となっています。

党費または会費 政党の党員からの党費や会費、政治団体の構成員からの会費のことをいいます。
寄附 (1)個人からの寄付 個人からの寄付をいいます。
(2)法人・団体からの寄付 株式会社などの法人や労働組合などの団体からの寄付をいいます。
(3)政治団体からの寄付 政治団体としての届け出がある団体からの寄付をいいます。
機関紙誌の発行その他の事業による収入 政治団体が事業活動を行って得た収入がこれにあたります。主な事業活動の例としては、機関紙の発行や政治資金パーティーの開催、さらにはグッズやDVDを作成するなどして、活動費を賄っている政治団体もあります。
借入金 個人や金融機関からの借金がこれにあたります。また、政党の支部間や議員と政党支部との間で金銭をやり取りする際に、借入金という形で現れることもあります。
本部又は支部から供与された交付金に係る収入 政党や政治団体の本部から支部へ交付した資金や、支部間でやり取りした資金がこれにあたります。
その他の収入 上記5種類に分類されない収入がこれにあたります。政党が受け取る政党交付金や、政党が会派から委託された立法事務費などもここに区分されます。
ISSUE民主主義のコストは誰が負担すべき?
民主主義のコストはだれが負担すべき?

民主主義には様々なコストがかかります。ではこのコストは誰が負担すべきなのでしょうか。「誰が」という視点で切り分けてみると、我が国では、今のところ民主主義のコストは大きく三種類の負担者によって賄われています。すなわち①公費(国民の税金)②個人③企業・団体の三者です。
これらのうち、「本当は誰が民主主義のコストを負担をするべきなのか?」という点については様々な意見が分かれています。「ISSUE 企業・団体献金はなぜ批判されるのか」でも取り扱ったように、③の企業・団体が民主主義のコストを負担すべきかという点については議論が衝突しています。
①の公費による負担は、確かに個人や企業・団体が献金するよりも、資金の中立性が保たれる点では優れています。しかし、現状の供給額では民主主義のコストを賄うのに十分な額ではなく、財政状況を鑑みても増額はむずかしいとの反論があります。②の個人による負担についても、我が国ではまだ個人で政治献金を行う文化が浸透しているとは言いがたく、民主主義に必要なコストを十分に吸収できないのではないか、という点が批判として指摘されています。果たしてこの民主主義のコスト、どのような枠組みで負担することがもっとも適切なのでしょうか。みなさんも考えてみてください。

ISSUE議員の収入は政治資金?
議員の収入は政治資金?

政治活動に用いるお金である、「政治資金」という概念に似たものととして、議員個人がその職務に際して受け取る「歳費、旅費及び手当」という概念があります。
例えば国会議員であれば、一般にいう給与として、約2000万円の歳費が支給され、また国会議員としての業務に必要な経費として月額100万円の「文書通信交通滞在費」が支給されています。また、国会議員が国会と地元を往復する際の経費の補助として、交通機関を無料で利用することのできる「特殊乗車券」なども支給されています。
これらの歳費等については、国会議員の職務の報酬や国会議員の活動経費として、国会議員本人に直接支給されている性質のものであるので、原則として「政治資金」としてルールが定められていません。
 しかし、特に「文書通信交通滞在費」については、監視の目が無いことを良いことに、海外へ投資するなど本来の目的外に使用されていた事例も多くあり、政治資金規正法の監督下できちんと監視するべきでは無いかという議論もおこなわれています。
 なお、実際には政治資金の集金力が乏しい議員を中心に、このような歳費を自分自身の政治団体や資金管理団体に寄附し政治資金を確保している事例も多くあるようです。このような場合には政治資金収支報告書に、寄附として表れてくるため、寄付された金額については政治資金としてのルールが適用されるようになっています。

Point
政党交付金ってなに?

政党交付金は、議会制民主主義を支える基盤である政党に、その政治活動の費用を国庫から負担することで、民主主義のコストを国民全員で等しく負担し、よって金銭に左右されない清廉な政治の実現を目指して導入された制度でした。
制度の導入の際には、企業・団体献金の廃止と同時に導入されることが予定されていましたが、結局、政党などへの企業・団体献金の制度は存置されたため未だ政党交付金が目指した理念は達成されていないのが現状です。
なお、政党交付金の総額は、直近の国勢調査の人口に250円を乗じて得た額を基準として国の予算で決まり、毎年1月1日時点での議員数や得票数によって政党への配分額が算出されます。

ISSUE民主主義のコストは誰が負担すべき?
民主主義のコストはだれが負担すべき?

民主主義には様々なコストがかかります。ではこのコストは誰が負担すべきなのでしょうか。「誰が」という視点で切り分けてみると、我が国では、今のところ民主主義のコストは大きく三種類の負担者によって賄われています。すなわち①公費(国民の税金)②個人③企業・団体の三者です。
これらのうち、「本当は誰が民主主義のコストを負担をするべきなのか?」という点については様々な意見が分かれています。「ISSUE 企業・団体献金はなぜ批判されるのか」でも取り扱ったように、③の企業・団体が民主主義のコストを負担すべきかという点については議論が衝突しています。
①の公費による負担は、確かに個人や企業・団体が献金するよりも、資金の中立性が保たれる点では優れています。しかし、現状の供給額では民主主義のコストを賄うのに十分な額ではなく、財政状況を鑑みても増額はむずかしいとの反論があります。②の個人による負担についても、我が国ではまだ個人で政治献金を行う文化が浸透しているとは言いがたく、民主主義に必要なコストを十分に吸収できないのではないか、という点が批判として指摘されています。果たしてこの民主主義のコスト、どのような枠組みで負担することがもっとも適切なのでしょうか。みなさんも考えてみてください。

Point
立法事務費ってなに?

立法事務費は、国会議員の立法に関する調査研究費用を賄うために支給される経費のことを指します。これは、国会議員が立法府の一員としてきちんと立法業務に取り組めるように、その経費を支給するという目的から作られた制度です。
ただし、立法事務費は議員個人に直接は支給されるのではなく、国会内の会派とよばれる集団に対して支給される仕組みになっており、大半の会派は政党単位で構成されているので、政党への収入となっているようです。
なお、立法事務費は会派の所属議員1人あたり65万円が支給されますが、立法事務費単体で収支を計算する仕組みとはなっていないので、立法事務費が具体的にどのように使われたのかは、収支報告書の記載自体から読み取ることはできません。

政治資金の使い方

政治資金の使い方は、経常経費と政治活動費に大別でき、さらに細かい費目に分類されますが、支出の内容によっては複数の項目に該当する場合もあるようで、計上先がはっきりしない場合も多いようです。

経常経費 人件費 議員事務所で活動する私設秘書やスタッフの人件費がこれにあたります。なお、公設秘書の給金はこの中には含まれていません。
光熱水費 電気やガス・水道などの使用料をいいます。
備品・消耗品費 事務所や活動で用いる自動車やコピー機、机などの備品や、ガソリン・新聞・筆記用具などの消耗品がこれにあたります。
事務所費 事務所の家賃や、公租公課、電話の使用料金や火災保険などの保険代金がこれにあたります。
政治活動費 組織活動費 政治団体の通常の活動に関する経費や交際費などがこれにあたります。
選挙関係費 選挙に関して支出される経費がこれにあたります。代表的なものとして、公認推薦料や陣中見舞などがあげられます。
機関紙誌の発行、その他の事業費 機関紙誌の発行事業費 機関紙の発行にあたって、必要な印刷費や発送費、原稿料などの費用や、機関紙発行に携わる者への給与などがこれにあたります。
宣伝事業費 政治団体の活動の広報に用いた費用をさします。(機関紙の発行を除く)代表的なものとして、ポスターやビラ・パンフレットなどの作成費、ラジオ・テレビなどの広告料、宣伝用自動車の購入費用や維持費などがあります。
政治資金パーティー開催事業費 政治資金パーティーの開催にあたって支出した会場費や記念品代などがこれにあたります。
その他の事業費 新年会や講演会、バス旅行など収入があったイベントにおいて、支出した経費がこれにあたります。
調査研究費 書籍の購入や研修会の費用など、政治活動のために行う調査費用がこれにあたります。
寄付・交付金 他の政治団体への政治活動への寄附や、政治団体や政党の本部支部間や支部間で支出した金銭がこれにあたります。
その他の経費 上記以外の経費で、例えば借入金額の返済や労務の無償提供(本来給与が発生すべき活動を無償で行ってくれた場合)がこれにあたります。
ISSUE適切な政治資金の使い道
適切な政治資金の使い方

政治資金の使い道については、適切な金額や使途を法的なルールとして定めるべきだという意見が少なからずあります。しかし、現在の政治資金規正法はそのようなルールにはなっていません。なぜでしょうか。
理由の一つには、適切な政治資金の使い道というものは「その政治家の政治活動の内容によって個々に異なるので一律には決められない」ということが挙げられます。例えば、自動車一つをとっても、活動地域が広く自らの政策を広報するために必要だという政治家もいれば、活動地域狭く自動車は使わないという政治家もいるでしょう。あるいは広報誌の印刷枚数についても、年間10通の広報誌を発行している政治家と、1通しか発行していない政治家では必然的に印刷費用に差が出てきます。このように、政治家それぞれで活動が異なっている以上、どの程度の資金を使用することが適切なのかは一律には判断できません。
 一方そうであっても、費目程度は特定して使途の制限できるのではないかという意見もあります。確かに、政治資金とは政治活動に用いる資金のことを言うのですから、資金を用いた活動が政治活動でないのならば、政治資金として集めたお金を使用してはいけません。しかし、その判断の前提である “政治活動”という言葉の定義からして結局はその政治家・政治団体の活動から判断することになってしまうので、具体的に使途が明示されていても、その使途が“政治活動”にあたるのか一律に判断することはやはり難しいのでしょう。
 一方、使途の「適切さ」について法的に判断基準を示す必要は無いのではないかといった意見も存在しています。どういうことなのでしょうか。
 その理由として、政治資金の中には寄付金や事業収入など政治家個人の努力で集めた資金が多く含まれていることが挙げられています。そもそも私達自身のことを振り返ってみても、私達が自分で稼いだお金であれば、その使途を誰かにとやかく言われる筋合いはありません。つまり、政治資金についても自らの才覚で資金を集めたのであれば、寄付者から文句を言われることはあっても、国や他人にとやかく言われる筋合いは無いということなのでしょう。
 これに対しては、国政政党や国会議員などには、政党交付金などの公費が政治資金として注入されていますから、上記のような理由はあたらないと反論することもできますが、では「適切さ」の基準をどうするのかという部分にはなんら解決策はありません。
結局、法的に一律に決められない以上、国民一人一人が政治資金の使い道をしっかり監視して、有権者の目から見て不適切と思う支出ばかりしている政治家については、選挙の場で”政治的に”責任を問うということが”適切さ”の唯一の基準なのです。

ISSUE公設秘書の問題点
公設秘書の問題点

国会議員の活動には政策の立案や立法、それらに必要な調査研究や選挙区などでの意見聴取・広報活動など多岐にわたる内容が含まれています。そのため、これら活動を補佐し時に議員のブレーンとして活躍することを目的として、国会議員には公費負担で秘書を3名まで雇用することが認められています。この制度を用いて雇用されている秘書を一般的に公設秘書と呼ぶのですが、この公設秘書制度、実は様々な面から批判されることがあります。なぜでしょうか。
 一つ目の理由は、雇用される人数の少なさです。現実には多くの国会議員が公設秘書のみでは、政策立案や地元対応の人数が足らず、私設秘書を自前で雇用しています。もちろん、自分が使うのだから自費で雇うべきとの意見もあると思いますが、秘書は議員の政策立案を助け、国政へ携わる一種の専門職であり公務員ですから、秘書の仕事は本来公費で負担すべき公共性の高い仕事です。このような考え方の浸透しているアメリカなどでは、下院議員については公費で常勤の秘書18名と非常勤の秘書4名の計22名まで雇用することが出来ますし、上院議員については雇用する秘書の人数に制限を設けていません。
 一方、公設秘書に対しては、彼らが公費で雇用されるに足る公共性の高い仕事をしていないのではないか、という意見も多く聞かれます。そもそも公費秘書は前述のように国会議員の頭脳の役割を補佐することを目的としていました。しかし、実際には公費負担であるために(私設秘書に比べて)高額の人件費を支払うことができることを利用し、選挙区に強い人脈を持っている人や集金が得意な人を公設秘書として採用し広報・選挙活動にばかり従事させるといった事例が散見されているようです。つまり、このような公共性の低い謂わば “議員個人の私的な活動”の担い手を公費で雇用することに、果たして正当性があるのかというのが、公設秘書制度のもう一つの批判となっているのです。この点についても、例えばアメリカでは公設秘書の職務は議員の公務についての補佐に限定されています。
 以上のような様々な公設秘書制度に対する批判は”秘書”とは何をする人なのという点について統一の考え方がないことに起因するものなのでしょう。みなさんは、この公設秘書制度どのように考えますか。それぞれの議員の収支報告書なども参考にしながら是非考えてみてください。

Point
秘書の人件費

議員の活動をサポートする、議員秘書。国会議員については、政策担当秘書及び公設秘書2名を公費負担で雇用することができる制度となっています。(公設秘書)
しかし現実には、わずか3名のスタッフでは日々の事務所業務から、政治活動・立法活動にいたる多岐にわたる業務を回しきることはなかなか難しいようで、多くの議員が公設秘書のみならず、私設の秘書やスタッフを雇用せざるを得ない状況であるようです。

「誰」が扱う資金にルールがあるの?

一口に政治資金といっても、使う人によって現実の政治への影響度は異なります。そのため、政治資金にまつわるルールは「誰」が政治資金を扱うかに注目してルールづくりがされています。
政治資金についてのルールが定められている人は、大きく1.公職の候補者、2.政治団体という2種類の類型にわけられています。そして、さらに政治団体の中には、①政党②政治資金団体③その他の政治団体という形で3種類の団体が定義されています。
では、これらの用語は具体的にどのような人々を指すのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

公職の候補者ってだれ?

「公職の候補者」というのは、一義的には国会議員である衆議院議員と参議院議員、そして地方自治体の議員(◯◯市議会議員など)や首長(◯◯県知事など)になろうとして、選挙に立候補した人や、その候補者になろうと準備している人のことを指します。
また、現に公職の地位にある者(現職の国会議員や知事など)も、ここにいう「公職の候補者」に含まれています。
つまり、選挙で選出され政治に関わる人々は、原則としてその人々が使用する政治資金について法律でルールが定められているのです。

政治団体ってなに?ー①政党

「政党」とは、共通する特定の政治的主張を持った人々が集まった団体のうち、議会制民主主義を支えるという観点から、特に公的な性格を認められた団体のことを指します。
政治資金規正法で、「政党」とされるためには
①国会議員が5人以上所属しているか
②直前の衆議院議員総選挙または直前かその一個前の参議院議員通常選挙において、全国で2%以上の得票を得ていること
が条件とされています。
なお、平成26年12月31日現在で、この要件に当てはまる政党としては以下の10の政党があります。
①維新の党 ②公明党 ③次世代の党 ④社会民主党 ⑤自由民主党 ⑥新党改革
⑦生活の党と山本太郎となかまたち ⑧太陽の党 ⑨日本共産党 ⑩民主党

Point
政党の支部

皆さんは、普段街頭で演説をしている政治家の方々からチラシを貰ったことはありますか?こういったビラには、「◯◯党東京都第◯◯支部」なといった記載がされていることがあります。この◯◯支部というものは、「政党の支部」というもので、たいてい国会議員の選挙区毎や市区町村毎に置かれている場合が多いです。この「政党の支部」は政治資金規正法上は、政党と同じ政治団体と見做されて、その支部の資金には政党と同様のルールが定められています。
しかし、この「政党の支部」という団体、実は政治資金規正の抜け穴に使われているという批判もあるのです。
具体的な批判の内容については「ISSUE 迂回献金につかわれる政党支部!?」をご覧ください。

ISSUE迂回献金につかわれる政党支部!?
迂回献金に使われる政党支部!?

政治家個人に対しては企業や団体から、直に献金することは禁止されています。しかし、現実には「企業・団体など」からの献金は今でも存在していて、その存否についての議論がされている状況です。なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
「政党支部」は、「政党の支部」という項目でも触れたように、一般に国会議員の選挙区や市区町村単位で置くという運用が一般的です。そして、その代表者には、当該選挙区選出の国会議員などが就いていることが多いのです。つまり、実態として「公職の候補者」である議員や候補者が、自らの「財布」とは別の「財布」として、政党支部を運営していることが多いのです。
そして、「政党支部」に適用されるルールは、「政党」に適用されるルールと同じものになっています。
そのため、「政党支部」も「政党」同様「企業・団体など」から献金を受けることができてしまいます。
このようにして、事実上同一人物が受け取っているにもかかわらず、”別の財布”であるという理由から、ルールの拘束力が及ばないという事態が起こっているのです。

ところで、そもそもなぜ「企業・団体献金」は親の敵のように、規制されるのでしょうか。
その理由については「ISSUE 企業献金はなぜ批判されるのか?」を御覧ください。

政治団体ってなに?ー ②政治資金団体

政治資金団体とは、政党のために資金を援助することを目的とした団体のことを言いますが、このような団体は我が国には多くありません。
平成26年3月31日時点で、このような団体にあてはまるのは
自由民主党の政治資金団体である、「一般財団法人国民政治協会」と
民主党の政治資金団体である「国民改革協議会」のみとなっています。

政治団体ってなに?ー③その他の政治団体

「政党」にも「政治資金団体」にも当てはまらない、政治団体も存在しています。このような政治団体についても、政治資金規正法の定めに則りそのルールに拘束されます。
ただし、一般にこのような政治団体については、政治情勢に大きな影響をあたえることが多くないと考えられているため、「政党」や「政治資金団体」に比べ、ゆるやかなルールとなっています。

Point
資金管理団体

このような、「その他の政治団体」の中でも、とりわけ有名なものとして「資金管理団体」というものがあります。
これは、「公職の候補者」が、自らが代表である政治団体のうち、自らのために政治資金を支出する団体として定めた団体のことを言います。
このような団体は、事実上「公職の候補者」の「財布」として機能することから、「その他の政治団体」とは異なり、「政党」や「政治資金団体」に準ずるルールが取り決められていることが多くなっています。

Point
国会議員関係政治団体

「政治団体」とは、政治上の主義や主張をすることを目的としていたり、特定の候補者を選挙に当選させようとしたり、または落選させようとしたりすることを目的とした団体のことを言います。いままで説明した団体は、いずれもこの定義に当てはまりますが、このなかでも、特殊な扱いを受ける団体があります。それが「国会議員関係政治団体」です。
「国会議員関係団体」は国会議員が代表者の団体や、国会議員の候補者が代表者の団体のことを指します。国政に関係する団体ということで、収支報告などに特例が設けられています。

どのようなルールが定められているの?

政治資金については、おもにその入口である「収入」の方法についてのルールが定められています。
具体的には、「寄附」について
①寄附をできる人に対するルール
②寄附の仕方や集め方についてのルール
③寄附を集められる金額に対するルール
が定められており「政治資金パーティー」に対しても似たようなルールが定められています。

寄附できる人についてのルール

原則として誰でも政治資金の提供はできることとされています。ただし、以下の様な人が寄附する場合には例外的にルールが定められています。
1)以下の人や団体は政治活動にかかる寄附を一切できません。
①外国人
②外国の会社
③三事業年度に渡って赤字の会社
④国から補助金・負担金・その他の給付金などの利益を受けることが確定してから1年以内の会社などや団体や国から資本金な拠出を受けた会社など。
※但し、地方議員及び地方自治体の首長に対する政治活動に関する寄附は許される。
2)企業及び団体は個人(公職の候補者)に対して寄附を一切できません。

Point
寄附を禁止される理由

寄付行為を禁止される人はどのような人なのでしょうか。
全面禁止の対象を見ると、①②に外国人と外国の会社が挙げられています。これは、我が国では外国人に参政権が認められていないことを理由とするものです。
④については、これは解説しなくても明らかでしょう。このような寄附を許せば、政治資金の透明な活用などされるはずもありません。
ところで、企業団体は個人に対する寄附のみ禁止されています。
なぜでしょうか。これには深い議論があるので、ぜひ「ISSUE 企業・団体献金はなぜ批判されるのか?」をご覧ください。

ISSUE企業・団体献金はなぜ批判されるのか?
企業・団体献金はなぜ批判されるのか?

「企業・団体献金」というと、みなさんはどのようなイメージを持たれるでしょうか。
これが原因で”逮捕された”というようなニュースはよく流れますから、一般的にはあまり良いイメージが無いかもしれません。このサイトでもみてきたように、「企業・団体献金」は「政党」と「政治資金団体」にのみ寄附が許されているなど、大変厳しいルールが定められています。なぜでしょうか。
政治資金に対する規正の目的は「Chips 政治資金はなぜ規正が定められているの?」でもお話したように、金銭による圧力から政治活動の中立性・清廉性を守ることにあります。一方、「企業や団体」は資金量が個人と比べて莫大であるため、金銭によって政治家働きかけることが個人に比べて容易です。よって、特に企業や団体に対しては強く規制をかけなければ、政治資金にルールを作る目的が達成できないと考えられたために、このような制度となっているのです。
しかし、「企業・団体献金」を悪と捉えてルールで縛ることには批判の声も挙げられています。
その理由として例えば、「企業や団体も有権者である国民によって組織され、国税の負担者である以上、政治への意見表明をする機会が確保されるべきだ」という意見が挙げられています。確かにどのような企業・団体であってもその意思決定を行っている構成員は有権者であって、複数の有権者が一体になって活動しているという理由だけで、個人と区別される謂れはないようにも思われます。 このように、一見すると「悪」と見做される「企業・団体献金」も、その内側には様々な意見が存在しているのです。

ISSUE迂回献金につかわれる政党支部!?
迂回献金に使われる政党支部!?

政治家個人に対しては企業や団体から、直に献金することは禁止されています。しかし、現実には「企業・団体など」からの献金は今でも存在していて、その存否についての議論がされている状況です。なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
「政党支部」は、「政党の支部」という項目でも触れたように、一般に国会議員の選挙区や市区町村単位で置くという運用が一般的です。そして、その代表者には、当該選挙区選出の国会議員などが就いていることが多いのです。つまり、実態として「公職の候補者」である議員や候補者が、自らの「財布」とは別の「財布」として、政党支部を運営していることが多いのです。
そして、「政党支部」に適用されるルールは、「政党」に適用されるルールと同じものになっ
ています。そのため、「政党支部」も「政党」同様「企業・団体など」から献金を受けることができてしまいます。  このようにして、事実上同一人物が受け取っているにもかかわらず、”別の財布”であるという理由から、ルールの拘束力が及ばないという事態が起こっているのです。

ところで、そもそもなぜ「企業・団体献金」は親の敵のように、規制されるのでしょうか。
その理由については「ISSUE 企業献金はなぜ批判されるのか?」を御覧ください。

②寄附の仕方や集め方についてのルール

1)寄附の仕方についてのルール
①寄附は原則として記名で行わなければなりません。
②寄附は本人名義で行わなければなりません。
③政治資金団体への寄附や政治資金団体からの寄附は、銀行口座への振込によって行わなければなりません。
2)寄附の集め方についてのルール
①寄附は、雇用関係その他の組織の影響刀を用いて集めてはなりません。
②寄附は、寄付しようとする人の意思に反して、賃金や下請代金などから控除する形で集めてはなりません。

③寄附を集められる金額に対するルール

1)政党・政治資金団体に対する寄附
①個人が寄附する場合は、年間に2000万円以上の寄附ができません。(総枠制限)
②企業・団体が寄附する場合も、資本金や構成員・経費に応じて年間750万円〜1億円の間で寄付金額が制限されています。(総枠制限)
③一方政治団体が、政党・政治資金団体に寄附をする場合には何も制限がありません。
2)その他の政治団体に対する寄附
①個人が寄附をする場合には、年間1000万円以上の寄附ができません。(総枠制限)
また、同一の政治団体に対する寄附は年間150万円が上限となっています。(個別制限)
なお、資金管理団体の届出をした公職の候補者が自己の資金管理団体に寄附する場合には、個別制限はありません。
②企業・団体はその他の政治団体への寄附は禁止されています。
③政治団体が、その他の政治団体に対して、寄附をする場合総枠制限はありませんが、同一の政治団体に対する寄附の上限は5000万円となっています。
なお、政党はその他の政治団体に対して、無制限に寄附できます。
3)公職の候補者に対する寄附
①公職の候補者に対しては、政党以外の寄付者は金銭を寄附することができません。
②個人が公職の候補者に金銭以外のものを寄附をする場合は、年間1000万円の寄附ができません(総枠規制)
また、寄付先一人あたりについても年間150万円が上限になっています。(個別制限)
③企業・団体は金銭以外のものであっても、公職の候補者に寄附することはできません。
④政治団体は、金銭以外であれば公職の候補者に無制限に寄附が可能です。
※なお、選挙に関する寄附については金銭による寄附も可能です

Point
総枠制限と個別制限

寄附の金額についてのルールで、時折「総枠制限」という言葉がでてきます。
これは、“寄附をした具体的な対象を問わず”、その人や団体が1年間にできる寄付額を量的に制限する場合に使われるルールです。
そのため、たとえ寄附する先が異なっていたとしても、定められた”枠”を超える寄附は許されません。
一方、”寄附をした具体的な対象についての上限を定める”場合には「個別制限」というルールを用います。このルールの場合は、別に総枠制限がかけられていない場合寄付先を変更すればさらにいくらでも寄附が可能です。

政治資金に対する量的な制限には、制限する目的にかなうようにこのような2種類のルールが用いられているのです。

Point
パーティ券の販売についてのルール

政治資金パーティーについての規制も寄附に対する規制と大変似ています。

1)パーティ券の購入方法についてのルール
①パーティ券の購入は原則として記名で行わなければなりません。
②パーティ券の購入は本人名義で行わなければなりません。

2)パーティ券の購入額についてのルール
①パーティ券は、一つの政治資金パーティについて、150万円以上支払ってはいけません。

しかし、政治資金パーティーとはこれまた珍妙な名前ですね。みなさんはどう思われるでしょうか。

支出に対するルールの内容

ここまで、収入に対するルールの内容を見てきました。
では支出に関するルールにはどのようなものがあるのでしょうか。
政治資金規正法に定められているのは「年に1回の報告義務」のみです。ただし、報告にあたっては5万円以上の支出(国会議員の関係する団体は1万円を超える支出)については領収書を添付しなければなりません。

このサイトもその報告書をもとに作られていますが、一方で規正法には具体的に「どのような支出をしてはならないか」ということは定められていません。なぜそのようなルールとなっているのでしょうか。
下記リンクも参考にみんさんも考えてみてください。

ISSUE適切な政治資金の使い方
適切な政治資金の使い方

政治資金の使い道については、適切な金額や使途を法的なルールとして定めるべきだという意見が少なからずあります。しかし、現在の政治資金規正法はそのようなルールにはなっていません。なぜでしょうか。
理由の一つには、適切な政治資金の使い道というものは「その政治家の政治活動の内容によって個々に異なるので一律には決められない」ということが挙げられます。例えば、自動車一つをとっても、活動地域が広く自らの政策を広報するために必要だという政治家もいれば、活動地域狭く自動車は使わないという政治家もいるでしょう。あるいは広報誌の印刷枚数についても、年間10通の広報誌を発行している政治家と、1通しか発行していない政治家では必然的に印刷費用に差が出てきます。このように、政治家それぞれで活動が異なっている以上、どの程度の資金を使用することが適切なのかは一律には判断できません。
 一方そうであっても、費目程度は特定して使途の制限できるのではないかという意見もあります。確かに、政治資金とは政治活動に用いる資金のことを言うのですから、資金を用いた活動が政治活動でないのならば、政治資金として集めたお金を使用してはいけません。しかし、その判断の前提である “政治活動”という言葉の定義からして結局はその政治家・政治団体の活動から判断することになってしまうので、具体的に使途が明示されていても、その使途が“政治活動”にあたるのか一律に判断することはやはり難しいのでしょう。
 一方、使途の「適切さ」について法的に判断基準を示す必要は無いのではないかといった意見も存在しています。どういうことなのでしょうか。
 その理由として、政治資金の中には寄付金や事業収入など政治家個人の努力で集めた資金が多く含まれていることが挙げられています。そもそも私達自身のことを振り返ってみても、私達が自分で稼いだお金であれば、その使途を誰かにとやかく言われる筋合いはありません。つまり、政治資金についても自らの才覚で資金を集めたのであれば、寄付者から文句を言われることはあっても、国や他人にとやかく言われる筋合いは無いということなのでしょう。
 これに対しては、国政政党や国会議員などには、政党交付金などの公費が政治資金として注入されていますから、上記のような理由はあたらないと反論することもできますが、では「適切さ」の基準をどうするのかという部分にはなんら解決策はありません。
結局、法的に一律に決められない以上、国民一人一人が政治資金の使い道をしっかり監視して、有権者の目から見て不適切と思う支出ばかりしている政治家については、選挙の場で”政治的に”責任を問うということが”適切さ”の唯一の基準なのです。

ISSUE出口のルールはゆるいのか
出口のルールは緩いのか?

通常、だれかの「お財布」を監視しようと考えた場合、入口である「収入」と、出口である「支出」が監視されれる必要があります。
そして、政治資金規正法が、「収入」に着目してルールを定めた理由は、政治資金については特に「誰からもらったのか」ということが重要な事実であるからです。(※詳しくは ISSUE なんで政治資金は規正されるの? を参照)
では「支出」に対するルールは不要なのでしょうか。現在の政治資金規正法は、「支出」の内容に着目したルールはなく、ただ毎年度末に報告することと、一定額以上の「支出」については必ず領収書の添付が求められているにすぎません。
このようなルールの在り方は、具体的に企業・団体献金を禁止したり、寄附額の上限を定めた”入口”のルールに比べ一見すると緩いようにも感じられます。
しかし、「どんな支出が適切か」は政治活動が社会の様々な問題への解決策をさぐる作業であることから、一概に定義することはできません。むしろ、「支出の適切さ」はその議員や首長が「どのような仕事をしたのか」という、公職者本人への評価に関する事柄に近い性質をもっています。
そのため、政治資金規正法はあくまで後々の監視のために、支出の報告を義務付けるにとどまり、その使いみちの適切さは、有権者個々人の判断に任せる姿勢を貫いているのだと考えられます。
言い換えれば、現在の制度の下では”出口のルール”の強度は、有権者一人一人が、どれだけ真剣に使い道を監視し検討できるかに委ねられているのです。

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